相続人がいないとき、遺産はどうなるの?
こんにちは、粒です。
私は、40代過ぎての初婚、つまりかなりの晩婚でしたが、私の地元の友達は、みな同じようにいわゆる婚期を逃し、バリバリ働いている人、独身を謳歌している人、探してはいるけどなかなか結婚相手に巡り合えない人など独り身の人が多くいたので、すごく焦りを感じるということはありませんでした。
今でもその友達のほとんどは独身です。
おひとりさま という言葉が広く認識されている今では、生涯一人のままという生き方も選択肢の一つであり、決して珍しいことではありません。
遺言書が必要なケース その12
相続人が誰もいない場合
- 生涯独身で、子供もおらず、両親とも既に亡くなっており、本人が一人っ子だった。
- 相続人にあたる人が全て亡くなってしまった。
- 相続人全員が相続放棄した。
相続人がいないと考えられるときの流れ
このように相続人がいないと考えられるとき、利害関係にあった人や、検察官が家庭裁判所に申し立てをして 相続財産管理人 を選任してもらうことになります。
利害関係にあった人というのは、お金を貸していた人(債権者)や、相続財産を管理していた人などが当たります。
申立てにより家庭裁判所は相続財産管理人を選任するとともに、官報による公示により相続人や相続債権者を捜索し、選任された相続財産管理人は故人の遺産の管理や借金の清算を行います。
公示期間を経ても相続人が見つからないとき、相続人の不存在 が確定します。
確定後、特別縁故者 にあたる人がいる場合、財産分与を受けることのできる制度があります。内縁の配偶者や、介護・看護にあたり深くかかわっていた人などです。
ただ、家庭裁判所に申し立てて請求を認められる必要があるのですが、かなり親密な関係にあると認められないと難しいようです。
そして、残った財産は最終的に国庫に帰属、つまり国のものとなってしまいます。
相続財産管理人の申し立てから最終的に相続が終了するまで1年以上、時間も費用も手間もかなりかかります。
自分が大切に増やし守ってきた財産が、手続きなどの費用で減っていき、お世話になった人の手に渡ることすらなく国のものになってしまう。自分がいなくなった後のこととはいえ、それではあまりに・・・・。
相続人がいないと思われる人がやっておきたいこと
まず、本当に相続人がいないのか、戸籍調査を行い、きちんと調べておくことが大切かと思います。実の親がいた、母親が違う兄弟がいた、ということも考えられなくありません。
自分の財産を把握しておくことも必要です。
借金があるなら、どのくらいあるのか、万が一の時はどうするのか。
不動産があるなら売却を考えた方がいいのか、どうするのか。
予め葬儀費用を払っておくこともできるので、その手配を考えておくことも必要かもしれません。
そして、遺言書をのこしましょう。
内縁の配偶者や大切なパートナーがいるときはもちろんのこと、お世話になった人、介護に努めてくれた人、財産を遺してあげたい人などに遺言書をのこすことで譲渡することができます。
そのような相手がいなくても、特定の団体に寄付することも、このような事業に使ってほしいと指定することもできます。
人生の最期に社会貢献、次世代の未来に自分のお金を使ってもらうこともできるのです。
生涯未婚率の増加で、相続人が誰もいない人がますます増えていくことと思います。
子供がいてもいなくても、結婚してもしなくても、自分の人生を締めくくるのは自分1人。その自分の人生の終い方、最後はこうありたいという自分を思い描き、今できることからはじめてみませんか?
今日もお読みいただきありがとうございました。