オット、会社やめていいよ。

その後無職のまま現在に至る

相続と争族

こんにちは、粒です。

今日は久しぶりに、行政書士としてのブログです。

といっても、お客様のことは書けませんので、ちょっとした自分の体験を書こうと思います。

 

以前のブログで、昨年他界した父の戸籍を集めた話を書きましたが、戸籍を含め、父の相続手続きはほとんど私が行いました。

 

puripuripurina.hatenablog.com

 

相続手続きに関しては、自分の専門分野ですので問題なくできたのですが、一年以上たった今もなお、なんとなくわだかまりが残ってしまったように感じています。

 

というのも、兄弟だから、と、なんとなくみんな同じような想いなんだろうと勝手に考えてしまっていたこと。

 

仲の良い兄弟でもお金に関しての思いは違うんだ

 

わが家の場合、相続人は母と、私を含めた兄弟3人。

父が残したものは当然母のモノ…という共通認識はありましたが、2次相続(母が亡くなったときにおこる相続)の時に相続税が発生するのを避けるために、すべてを母に相続するのはやめて、母には家と現金半分を、兄に株などを、姉に残りの現金をとりあえず相続してもらうことになりました。

私は一人他県に暮らしているので、母のそばにいる二人にとりあえず相続してもらうことで問題ないと思っていました。

 

姉が以前銀行に残高証明をもらったときに、「『これから相続でいろいろ問題が出てくるかもしれませんね。』って言われたよー(笑)。」

と、伝えられてみんなで笑ったものでしたが。

 

父が亡くなってすぐ、生命保険がおりました。それも、兄と姉が受取人になっていました。父の生前から、相続税対策で保険に入っていることは聞いていて、私も姉も、それに関しては、手続きの都合で他県にいる私の名前は使わなかった。という認識でした。

が、兄は全く違ったようで、そのお金は受取人の自分と姉が当然受け取るものだからと。

 

あ、そうなんだ。

 

事実だけを客観的に見れば、確かにそうだということは分かります。

でも、それを認めてしまうと、

 

お父さんは、私にだけ何も残してくれなかった。

お父さんは、保険のことを考えたその時、私のことを思い出さなかった。

 

という、悲しい思い出になってしまうんです。

金額がどうとかそういうことじゃなく。

でも、父はもういないので、父の思いを、事実を知ることはできません。

 

そして、そうなると、兄弟の共通認識だと思っていたものすべての前提が覆って、疑心暗鬼。

 

遺言書、ご両親にのこしてもらってください

 

とはいえ、兄に逆らうことなどできませんので、驚きも悲しみも、飲み込むことに決めました。争族には自分は無縁だ。と、たかをくくっていた私に、もっとお客様に寄り添えと与えられた問題だったのかもしれません。

 

好きだった父を思い出すたびに、最後のもやもやがついてきてしまうこのもどかしさを、手放すのにはもう少し時間がかかりそうです。

そして、少し芽生えてしまった争族の芽を大きくしないために、今後のことを兄弟できちんと向き合って話し合う機会を作る必要があるようです。

 

わが家は仲良しだから、争族なんて心配ない。

 

それは、幻想なのかもしれません。ちょっとした掛け違えで、争いになったり、誰かが我慢して、そのまま離れていってしまう、兄弟がバラバラになってしまうことだって十分考えられるのです。だから、子供たちに任せておけば大丈夫。なんて思わないで、どうか、元気なうちに遺言書をのこしてください。どうか、子供たちと話す機会を作ってください。

 

ご両親に 「遺言書、作って。」なんて言いづらいですよね。

そんな時は、専門家に相談してみてください。第三者に間に入ってもらうことで、スムーズにいくことってたくさんありますから。

 

このことを考えると、いつも胸がクーっとなります。

そんな思いをする人が、一人でも減っていきますように。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。